隆子と貴美は墜落した円盤を調査していた。
直径20メートルほどの円盤。衝撃波によって公園のある遊具は吹き飛ばされ、ある遊具は紙粘土のようにねじ曲げられ、押し潰されていた。円盤自体も一部が地面にめり込んでいる。
やはり破壊力は凄まじく、もはやそこに公園の面影はなかった。
人は居なかったのだろうか。そういう心配もしつつ、隆子は円盤の周りをぐるりと周回する。しかし特にこれといった発見はなかった。
「どうする?そろそろこの場から離れた方が良いんじゃない?警察や研究機関だってもう動くと思うし。」
業を煮やした貴美が、気だるげな口調で隆子に言う。
「…あともうちょっとだけです」
隆子は焦るように調査を続行する。すると
「うわ!」
天辺にある円形の蓋が空き、隆子が叫んだ。
「どしたの!?」
「蓋が空きました」
貴美が「え?」と言い、その中はなぜか明るかった。まるであの世のように。
「貴美さん、入りましょうよ」
「ええええ!?やだやだ!!なんか変なのがいたらどーすんの」
貴美は拒否するが隆子は「いいからいいから」と要求し、入る事に。
「もうわかったわよ、入ればいいでしょ一緒に入れば」
貴美は嫌々入った。
「よっと・・・ん・・・?」
隆子が見たのは人間のようなもので、黄色いタイツか何か着ていて、しかもうつ伏せで倒れていた。
「起こすよう、声かけてみます」
「え?起こすの?」
隆子が「大丈夫ですか?」と声かけると、人間型の生物は起き上がり二人は「うわっ」て驚く。
起き上がった生物の顔はアフリカ人またはアボリジニに近い顔してるが、やや青い。腹筋もあり、身長は175近い。そして人間は言葉を発した。
(何言ってんのか全然わかんない・・・)
(だからやめとこって言ったのに・・・)
その言語はアラビア語やソマリ語ですらなかった。
「あの、失礼ですけど、日本語喋れます?」
貴美が問う。すると
「喋れるマスヨ!」
「え」(喋れんのかい!)
貴美は心の中で突っ込む