天使「……そうですね。例えばあなたが今見ているあなたの部屋の風景も私のいる場所から見れば、一種の仮想現実みたいなものに見えるかもしれませんね」
名無しさん「じゃあ逆に、俺たちが普段使っているインターネットも一種の異世界(亜空間)みたいなものだと言えるわけだ」
天使「そうなりますね。あなたたちは自分の肉体を捨て去って、ネット回線を通して魂だけでコミュニケーションしているんですよ。それは異世界(亜空間)への転生と言ってもいいでしょう」
名無しさん「なるほど。そういうことか」
天使「あと、私が見つめているパソコンの画面は、あなたが普段生活している世界とは別の世界が見えていますよ」
名無しさん「別世界って、つまり君にとっての二次元みたいなもんかな?」
天使「三次元の世界にも二次元的な要素を持った世界はあるんじゃないでしょうか?私にはあなたの見えないものが見えていますが、逆に、私には見えないものがあなたの目には見えている可能性も否定できません」
「う~ん……」
朝起きると、いつものように隣で妻が寝息を立てていた。僕の胸板に頬ずりするようにして眠っていた彼女は目を覚まし、大きなあくびをする。そして、「おはよう」と言いながらキスをした。僕は挨拶を返すように軽く唇を合わせるだけのキスをし、
「おはよう」
と言った。彼女は幸せそうな笑顔を浮かべてもう一度僕にキスをする。