「時間はエントロピーに関係があると聞いたことがあるんやが、どういうことなん?」
「時間とエントロピーには密接な関係があります。エントロピーは、物理系の乱雑さや無秩序さを表す指標であり、時間が進むにつれてエントロピーは常に増加します。このことは、熱力学第二法則によって表されます。
熱力学第二法則によれば、孤立系においてエントロピーは常に増加するため、時間を逆に進めることはできません。これは、時間の流れはエントロピーの増加によって決定されていることを示しています。
また、エントロピーは、情報理論においても重要な役割を担っています。情報の増加はエントロピーの減少と関係しており、情報が完全に消失した場合には、エントロピーが最大になります。これは、ブラックホールにおいても同様で、ブラックホールが情報を取り込むことで、そのエントロピーが増加すると考えられています」
「じゃあ、孤立系においてはループ現象はありえないということ?」
「孤立系においては、エントロピーの増加が起こり得るため、時間の逆行やループ現象はありえません。孤立系とは、外部からの影響を受けずに存在する閉じた系のことを指します。例えば、宇宙全体が孤立系であると仮定すると、その中で時間の逆行やループ現象は起こり得ません。ただし、宇宙全体が孤立系であるかどうかについては議論の余地があります」