限定公開期間過ぎました☆(ゝω・)vキャピ

407おい
2020-06-01 13:42:35
ID:cMZgCNw6

弁護士クボタのブログより
https://www.legamaga.com/563/

名誉毀損罪の成立を免れるための要件

名誉毀損罪については真実性の証明に成功することにより刑事責任を免れることができます。次の条文をご覧ください。

第230条の2第1項 前条第一項の行為が公共の利害に関する事実に係り、かつ、その目的が専ら公益を図ることにあったと認める場合には、事実の真否を判断し、真実であることの証明があったときは、これを罰しない。
①事実の公共性、②目的の公益性、③真実性の証明の要件を満たす場合には、違法ではないとして名誉毀損の責任を免れることができます。また、次の判例もご覧ください。

最高裁昭和44年6月25日
刑法230の2の規定は、人格権としての個人の名誉の保護と、憲法21条による正当な言論の保障との調和をはかつたものというべきであり、これら両者間の調和と均衡を考慮するならば、たとい刑法230条の2第1項にいう事実が真実であることの証明がない場合でも、行為者がその事実を真実であると誤信し、その誤信したことについて、確実な資料、根拠に照らし相当の理由があるときは、犯罪の故意がなく、名誉毀損の罪は成立しないものと解するのが相当である。

つまり、上記の①事実の公共性、②目的の公益性に加えて③´相当性の要件を満たす場合には、故意がないものとして名誉毀損の責任を免れることができます。

たとえば、「建築会社のX社は耐震基準を満たさない欠陥住宅を量産している」とSNSに投稿したとしましょう。このような投稿はX社の名誉を毀損する内容となっていますが、耐震基準についての鑑定書を提出するなどして真実性の抗弁(①②③)の要件を満たすか、専門家の鑑定書の内容を信じたとして相当性の抗弁(①②③´)の要件を満たせば投稿者は名誉毀損罪の責任を免れることができます。

①事実の公共性については、社会一般の利害に関係することをいいます。たとえば、「建築会社のX社は耐震基準を満たさない欠陥住宅を量産している」という投稿は、住宅の購入を検討する者にとっては重要な情報を、また、入居者の生命・身体という重要な利益にかかわる情報を提供していることから、社会一般の利害に関係するといえるでしょう。他方で、「大企業社長のXが現在不倫をしている!」という投稿は、単に公衆の好奇心を満たすだけの情報ですので、社会一般の利害に関係しないといえるでしょう。

②目的の公益性については、条文上は「専ら公益を図る目的」という表現になっていますが、主たる動機・目的が公益を図ることであれば目的の公益性の要件を満たすと考えられています。たとえば、「建築会社のX社は耐震基準を満たさない欠陥住宅を量産している」という投稿ですと、住宅の購入を検討するすべての者に対して重要な情報を提供していますので、主たる動機が公益を図る目的であると認められやすいでしょう。他方で、X社のライバル会社からお金をもらって上記投稿をした場合には、主たる動機が公益を図る目的であるとは認められないことが多いでしょう。

③真実性の証明の要件が認められるためには、投稿した事実が真実であることを証明しなければなりません。つまりは、様々な証拠をもって、裁判の場において、投稿した事実が真実であると裁判官に思わせる必要があるのです。ただし、投稿した事実のすべてが真実であることの証明が必要というわけではなく、投稿した事実のうち重要な部分についての真実性が真実であることの証明があれば足ります。

③´相当性については、情報源・取材源が確かなものかどうか、裏付取材が十分になされているかどうか、名誉毀損の対象となった者やキーマンへの直接取材が試みられているかどうかなどの事情を総合的に考慮して判断されます。

ここまで難しかったかもしれませんが、要するに、裁判で摘示した事実の内容が真実だと証明できた場合や、摘示した事実の内容についてしっかりと裏付調査ができていたと認められた場合には、名誉毀損の責任を免れることができるということなのです。

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