更正した不良がやたら持ち上げられる風潮があるけど

48南雲◆87JeOCepwE
2016-12-27 05:36:51
ID:Q8covnTM

不良になった原因は人それぞれだが、不良の大半は幼少時から健全な家庭に育っていない。虐待を受けてきたか家庭崩壊の状態にある。これは勝手な想像ではなくて、私は警察レベルの不良少年を百例以上は見てきたから言ってるんだよ。
不良の大半はもともと被害者なんだよ。単純化して言えば、日々理由もなくぶん殴られ続けたら、イラついて八つ当たりもするだろうし、まじめに勉強する気も失せるだろう。自分がどんな目にあわされても他人に迷惑かけず、マジメに勉学に励み優しさを忘れない子供がいたら、神がかりレベルに偉い子供だ。普通の人間にできる技じゃない。

少数派になるが家庭環境に問題のない、ここで「わがままな不良」とされている不良はなぜ不良になったのか。これは三笠が障害者の例を出してくれたが、何らかの発達障害がある場合がほとんどだ。身体障害者は障害が目に見えるから周囲の支援を得られやすいが、精神的な障害は見えないから理解されない。理解どころか、迷惑な行為をやっているから嫌われる。

100%の不良に酌むべき理由があるとは言わないが、ほとんどは理由がある。

しかしどういう理由であろうと、不良は現に加害行為をやっている。被害者がそれを恨むのは仕方がないし、直接被害にあっていなくても、嫌う人間を責めるわけにはいかない。不良を嫌う側は、不良の個人的事情がどうあろうと、現在の迷惑行為に反応しているのだからやむを得ない。そして長い間それが続くと、更正したと言われてもその少年を急には信頼できないことも、やむを得ない話だろう。

しかし不良が更正するというのは、並大抵のことではない。
嫌われても仕方のない行為をやったのだから、不良は現実に嫌われて、地域でも学校でも疎外されている。更正しようとしても、あるいは本当に更正しても、突然周囲に受け入れてもらえる訳じゃない。結局不良は更生しても「帰れる場所」を持たない。もと自分のいた不良グループなど、そういう不健全な集団にしか受け入れてもらえないわけだ。それで更正しても再び不良化してしまう。

そういう逆境を乗り越えて「普通」に回復できたら褒めるべきだろう。普通になるために、逆境を乗り越えたことを褒めるんだ。不良っていうのは、本人の気持ちひとつでやめられる気楽な遊びじゃないからね。

更生しても、過去の行為が消えるわけじゃない。恨み続けられるし、嫌われ続ける。周囲の人間は過去を忘れてくれない。更正しても更正したと認めてもらえない。社会的にも不利な扱いを受ける。賞賛されるどころか、不良というレッテルから逃れるのは簡単じゃない。

健全な人間に戻ったのに、いつまでも不健全な人間として扱われ続けることに疑問があるのは当然だろう。更正した不良が持ち上げられるのは、「いや彼らはこれほどの困難を克服したのだ、もう偏見で見るのはやめてくれ」という、彼らのリアルでの扱われ方に対する反論でもある。

更正した元不良が、ずっとマジメに生きてきた人よりも現実社会で優遇されたら、「正直者がバカを見る」世の中になる。でも現実はそうじゃない。更正しても、「昔悪いことをやったんだからどうせまたやらかす」という疑念を抱かれ続けて不利を被り続ける。そしてそういう扱われ方が、本人に「今さら更正しても無駄だった」という絶望感を与えて、再不良化することもある。再不良化したら、疎外してきた人間が「ほらやっぱり」と自己正当化する。元不良が置かれている現実は優遇どころか激しい偏見の中なんだよ。

更正を褒めることをやめたら、彼らはスタートの躓きで永久に不当な扱いを受け続けるおそれがある。また、更正を褒めることは、更正を促す動機付けにもなる。現実に元不良は疎外されているのだから、褒める者がなくなって、疎外する者だけが残ることに、どういう生産性があるだろう。更正できたことが少々褒められても、マジメな人間がバカバカしくなって不良化するわけでもないだろう。

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