~手紙より集まりし者達~Worship of nothingness (連続リレー小説)

52J◆kZDFwAt8do
2016-11-24 03:17:56
ID:uT0R2ZLM

>>51

フェンスを開け、その後直ぐ様夢生達が開幕攻撃を行った。巨大な爆発音と煙の中、俺達は突入していく。立ち込める灰色の煙を掻き分け、走り出した。
先陣を切ったのはボロ布の男とペストマスクの男だ。特にペストマスクの男は瞬間移動でもしたかのように先頭を陣取っていた。それでも彼は迫り来る魔物達を翻弄するかのように殺害していく。まるで全てを予知して、起きる出来事を効率よく順調に消化していく仕事のように流れる動きで確実に魔物を仕留めている。
一方、ボロ布の男は俺に向けて嘲罵の言葉を飛ばしながら大きく飛躍した。その後、魔物に囲まれて致命的な攻撃を何度も受けるも、生きてるのがあたかも当然かのように振る舞う彼の姿は不気味に感じた。
彼等の戦闘行動のおかげで後方の方にはまだ敵が攻め混んでいない。

そんな中、俺は小走りで順に襲い掛かる魔物達を一匹ずつ斬り伏していった。一人単身で突撃するのには戦況が苦しすぎる。相手が人間ならまだしも、根本的には俺達以上の能力を持った化け物達だ。そんな奴等にたった一人で死に望むなんて俺には出来ない。
開幕から大きい魔法を放った夢生ともう一人の少女は、自分達が買ったヘイトを気にしてるのか一番後ろからついてしている。今の俺は彼女二人の前衛といった形でゆっくりと足を進めている状況だ。

先程の爆発を放った彼女二人を最優先の攻撃対象として見ているのか知らないが、壁であるこの俺に向かってくる狼型の魔物達、体格は恐らく2mを越えている。
一匹ずつ、次は二匹、そして次はまた一匹と、こちらの手を疑っているかのような戦い方をする魔物。そして今こちらへ飛びかかってきた三匹の魔物。
一番俺との距離が近い目標にブレイカーを投げ付け、後から時間差で飛び掛かる二匹の目標へ跳躍する。顔面に分厚い刀身を受けた魔物の背に足を乗せ、頭蓋骨を叩き割るように抉り込んだブレイカーを引き抜きながらその身を蹴った。
蹴り飛ばした反動をそのままに、大きく口を開いた二匹に向かって水平にブレイカーと本体の剣を差し込んだ。骨の抵抗を受けながら腕力で無理矢理刃を動かして、そのまま二匹の肉体を二つに斬り分けてやった。
やがて宙を舞った俺の体は地面に足を付け、次の目標へ目線をやる。だが、その瞬間であった。

「これ、さっきのお返し!」

と、突如ボロ布の男がそのまま言葉を続けてこちらへ生首を投げて来たのだ。唐突なその行動に疑問を感じるも、俺は偶然瑠璃が氷魔法で動きを止めていた魔物達の方へその生首を打ち返す、ボロ布の男を素通りさせて。
そんな俺の行動にグーサインで返したボロ布の男。なんだこいつは、俺をおちょくっているのか。しかしその余裕を持ったセンスは悪くない。
しかしだ。

俺は彼の後ろに浮遊していた目玉の魔物[イービルアイ]に向かってファングをブーメランのように投げた。
ボロ布の男を大きく囲むように円を作ったファングは、そのまま真横からイービルアイの瞳孔を抉るかのように斬り込む。
回転した勢いで更に眼球を傷を容赦なく広げ、未だにベクトルを失わないファングは刃を眼球の内部へ抉り込ませたところで動きを止めた。

「おっと、これは驚いた。」

その眼球の魔物の前に立っていた男は俺に向かって言葉を放つ。俺はそれを無視するかのように真横を通り抜け、ファングを回収した。

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