~手紙より集まりし者達~Worship of nothingness (連続リレー小説)

71コギト=エル=ゴスム ◆gm14eVllVk
2016-12-11 00:43:58
ID:DXP4FdPE

>>70
「例えば……“機関の奴らがどうやって俺達の居場所探り当てたのか”、とかよォ〜。案外“草”ってのがいるのかも知れないな。ほら、不思議には思わねーか。ええ?」

そう言いながら、ハーシーは他ならぬファレルに目を向ける。その鋭い眼を。

ファレルは険しい顔を更に少し険しくさせる。

「いや、あんたのこと疑ってるわけじゃあねぇんだ。ただちょいと違和感があってな……。その矢文、“本当に元討伐隊から送られた”のか? 何か裏付けがあるんなら別だ、けど名前さえ知ってりゃ誰でも騙ることは出来るわけで__」
〈ようやく気付いたところ申し訳ないが、此処では止めておけ。或いは機関の奴らに聞かれている可能性がある。〉

(別に疑われていたのを気にかけていたんじゃあない…ただ別に気にかかることがあったのだ。)

〈しかし、手頃に訊問……否、情報の整理が出来る場があればいいんだが。〉
『そういうことでしたら』

曇天と化した空を見上げ、考えるJ。そこにルミナが提案をする。

『丁度御要望に沿った場所をいくつか知っていますよ。そうですね……“悪魔の森”なら、組織の者も追ってくるのは難しいのでは? 我々の動向も探られにくいでしょう。』

──そうルミナは提案した。
ファレルはそう言うのなら何か策でもあるのだろうと考えていた、だがそこはファレル。疑り深い性格故にあまり良い顔はしていない。いや皆もだ。ただ一人、何かに納得したようなハーシーだけを除いて。

「ああ、“悪魔の森の素敵な場所”ね……。その言い方じゃ、初見さんには通じねぇと思うぜー。あ、みんな安心してくれや。全員纏めてコイツが連れてってくれる。魔物とは縁遠い場所にな。」

ハーシーは皆に案ずるなと促す
敢えて仄めかした言葉で。

『ファレルさん、此処に居続けるのは貴方にとっても宜しくないでしょう。取り敢えず、穏やかに語らえる場所に移動しませんか?』

“勿論、移動するかどうかは皆さんに委ねますが”、ルミナはそう言い虚無から再び杖を取り出した、片手で静かに自身の前へと持ち上げた。杖の先端が陽光を受けて輝きを放つ。

『同意される際には、この杖に触れてください。この杖が場への鍵となります故に。』

「……私は行こうッ ルミナさんたちを信用させてもらう。」

私の勘が違ったら違ったなりに策は考えてある。

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