>69-71
消えた魔物に突然現れてすぐに去った機関。謎は増える一方で、どこから見られているかも分からないような状態では迂闊に話すことも出来ない。じゃあどうしろっていうのよ......。私は目の前の出来事についていくのに必死で、だいぶ混乱していた。どこかで一旦落ち着きたい、と思っていた私にとってルミナさんの提案はとてもいいものだった。だが、
『……“悪魔の森”なら、組織の者も追ってくるのは難しいのでは? 我々の動向も探られにくいでしょう』
“悪魔の森”って、それ大丈夫かな......?
それを言おうか黙っていようか迷っていると、ハーシーさんが口を開いた。
「みんな安心してくれや。全員纏めてコイツが連れてってくれる。魔物とは縁遠い場所にな」
彼が言うなら大丈夫だろう。だってこの2人、初めて会ったときも一緒にいたし。
『同意される際には、この杖に触れてください。この杖が場への鍵となります故に』
その言葉にファレルさんが杖を掴んだ。私もそれに続く。
「わっ、私も行きます!!」
......これで滅茶苦茶危険なところだったらどうしようかな。