聖書の引用

消滅論の支持者は、聖書が悪人が永遠に罰せられると教えていることに同意しますが、その罰は永遠の苦悩の人生とは対照的に、永遠に続く完全な破壊だと考えています。旧約聖書では、裁きは最終的なものであり、その期間ではないとされています（イザヤ66:24、2列王22:17、イザヤ17:2-7、51:8、エレミヤ4:4; 7:20; 21:12; エゼキエル 20:47-48; マラキ4:1-3参照）。同様に、新約聖書では、悪人はその罪のために当然苦しみますが、最終的には滅びると教えています（ルカ16:19-31、ローマ2:8、2テサロニケ1:6を参照）。

他の新約聖書のテキストでは、マタイ10:28で、キリストは悪人が火のついた地獄で「体も魂も」滅ぼされると語っており、ヨハネ11:11「私たちの友ラザロは眠った」、1テサロニケ4:15「眠りについた者に先んじない」、ヨハネ3:36「子を信じない者は命を見ない」と書かれています。
教父と後世の人々

テルトゥリアヌスからルターまでのキリスト教の作家は、伝統的な地獄の観念を守ってきた。しかし、消滅論者の立場にも歴史的な先例がないわけではない。アンティオキアのイグナティウス（108/140年）、ユスティン・マルティル（165年）、イレネオス（202年）などの著作に、初期の消滅論や条件付不死論が見られるとされている。しかし、アルノビウス(d. 330)の教えは、消滅論を明確に擁護した最初のものと解釈されることが多い。アルノビウスの『異教徒に抗して』第2巻に、特に目立つ言葉がある。

あなた方の利益は危険にさらされている、つまり、あなた方の魂の救済である。あなた方が至高神を知ろうとするために自らを捧げない限り、肉体の束縛から解放されても残酷な死が待っている、突然の消滅ではなく、悲痛で長く続く罰の苦味によって破壊されるのである。

ピノックによれば、永遠の地獄/苦行は「およそ6世紀以来、教会の半公式な立場」であった。

さらに、ジョン・ウェスレーの記録された説教のうち少なくとも1つは、しばしば消滅論を暗示していると不本意ながら理解されている。反対に、彼の影響によって生まれたメソジスト派の教派は、一般的に消滅論に賛成していない。
ローマ・カトリック

ある教父やカトリック神学者が、限定的な普遍主義を唱えたように、カトリック神学者の中には、限定的な消滅主義をカトリックの教えに沿ったものとして唱えた者がいる。地獄の典型的な教義表現について、『カトリック教会のカテキズム』第2版には次のように書かれている。

1035 教会の教えは、地獄の存在とその永遠性を確認する。大罪の状態で死んだ者の魂は、死の直後、地獄に下り、そこで地獄の罰、「永遠の火」を受ける。地獄の主な罰は、神からの永遠の離別である。この神においてのみ、人は、自分が創造され、切望する生命と幸福を持つことができるのである。

1038 「正しい者も正しくない者も」（使徒24:15）すべての死者が復活することが、最後の審判の前にあります。これは、「墓の中にいるすべての者が（人の子の）声を聞いて出てくる時であり、善を行った者は命の復活のために、悪を行った者は裁きの復活のために出てくる」（ヨハネ5:28-29）のです。(Jn 5:28-29) それからキリストは「栄光のうちに、すべての御使いたちとともに」来られるのです。. . そして、羊飼いが羊と山羊とを分けるように、彼らを一つずつ分けて、羊を右手に、山羊を左手に置かれる。. . そして、彼らは永遠の罰の中に去り、正しい者は永遠の命の中に入るのです。(マタイ25:31,32,46)

英国国教会

英国国教会は、その歴史のほとんどにおいて、マルティン・ルターの「魂の眠り」よりも、ジョン・カルヴァンの不滅の魂の意識的継続の教義に近かったが、キリストの文字通りの再臨による審判の日の後に「悪者」が消滅するという教義は、英国国教会でも支持されていた。1945年、大司教団の伝道委員会（Towards the conversion of England）による報告書は、「審判とは、善から悪を究極的に分離し、神の意志に反するものはすべて破壊される」という記述で物議を醸した。
ミラー派とアドベンチスト派の動き

最近、この教義は19世紀半ばのミラー派運動の子孫や影響を受けたグループと最もよく結びつけられている。セブンスデー・アドベンチスト教会、神の教会（7日）-セーラム会議、聖書生徒会、エホバの証人、クリストデルフィアン、ハーバート・アームストロングの信奉者、さまざまなアドベント・キリスト教会などがこれにあたります。(ミラー派は、イエスの再臨を待ち望む米国内の5万人から10万人の人々で構成され、ウィリアム・ミラーに端を発している）。