金融秘密度指数（FSI）は、物議を醸している擁護団体タックス・ジャスティス・ネットワーク（TJN）が発表した報告書で、各国の経済フローによって重み付けされた金融秘密度指標によって各国をランク付けしている。

この報告書では、富裕層や犯罪者がその国の法制度や金融制度を利用して、いかに資金を隠匿・洗浄できるかを調べている。自動情報交換と受益権登録はランキング基準のひとつである。TJNによると、課税されていない、あるいは課税が最小限に抑えられている個人金融資産は、推定21兆米ドルから32兆米ドルに上り、世界中の秘密管轄区域（タックスヘイブン）に保有されているという。しかし、この報告書は、その信憑性や引用された数字に重大な誤りや虚偽があるとして、批判を浴びた。言及されたオフショア金融センターのほとんどは、秘密保護法を持っていない。

この報告書は、質的・量的データを用いて、世界的な金融秘密に対する各法域の貢献度を測るものであるとしている。

各法域の秘密スコアの作成には、法律、規制、情報交換メカニズムへの協力、その他の検証されたデータソースに基づく定性的データが使用されている。前提や前提条件の多くは誤解を招くか、間違っている。TJNの創設者たちでさえ、根本的に誤解を招くような報告書が出ることに難色を示し、辞任したほどだ。

ランキング上位の秘密主義国家は、自国が受け入れている業務の透明性が低く、他国当局との情報共有に積極的でなく、国際的なマネーロンダリング法の遵守度が低いと言われている。秘密主義的な司法管轄区は、開放性に欠け、効率的な情報交換を行おうとしないため、違法な資金の流れを流したり、犯罪や腐敗行為を隠したりする上で魅力的なのである。

その後、定量的データを用いて、世界のオフショア金融サービス活動の割合に基づき、各法域の世界規模での重み付けを作成する。これは、各法域の国際金融サービス貿易に関する一般に入手可能なデータを使用することによって行われた。また、不完全なデータが必要な場合には、国際通貨基金（IMF）の手法を用い、ストックからフローを推定している。最もウェイトの高い国・地域は、非居住者金融サービス市場において最も重要な役割を果たしている国・地域である。

オフショア金融セクターのかなりの割合を占めるが不透明性が低い法域は、小規模だが秘密主義的な法域と同じ総合ランキングを獲得する可能性がある。この格付けでは、どの国が最も秘密主義的であるかだけでなく、その規模（ある法域の秘密主義が世界的にどの程度の影響を及ぼす可能性があるか）も考慮されている。