ネーミングと用途
2015年GDPデータ
2016年7月12日午前11時（日本時間）、中央統計局は、2015年のアイルランドのGDPデータが26.3％増加し、2015年のアイルランドのGNPが18.7％増加したことを示すデータ修正を投稿した。その24分後、11時24分GMTにノーベル賞経済学者ポール・クルーグマンがこのデータ発表に反応して投稿した：

レプラコーン経済学：アイルランドは26％の成長を報告！しかし、意味がわからない。なぜGDPなのか？

- ポール・クルーグマン 2016年7月12日
2016年7月12日から13日にかけて、アイルランドの2015年GDP成長率改定値26.3％を論じる際、アイルランド国内外のメディアによってレプラコーン経済学という言葉が広く使われた。レプラコーン経済学はアイルランドの2015年GDP26.3%成長率に対するラベルとなり、多様な情報源によってそのようにされてきた。2019年12月、アイリッシュ・タイムズ紙は「レプラコーン経済学」を「10年間のビジネス・ストーリー・トップ10」の1つに選んだ。

アイルランド経済
2016年7月以降、レプラコーン経済学はアイルランドの経済データに関する注意点や懸念に関連してエコノミストによって使われるようになった。

「レプラコーン経済学」と揶揄された有名な2015年の26％増以降、GDPの数字を信じる人はいなくなった。CSOでさえ、昨年の7.8％増を実際の経済活動の反映と見なさないよう注意を促している。

- アイリッシュ・タイムズ紙 2018年3月17日
2018年3月、定評ある国際経済誌--この場合は「新政治経済学」--に、レプラコーン経済学をタイトルに冠した最初の論文が掲載された： 「ケルトの不死鳥か、レプラコーンの経済学か？ヨーロッパにおけるFDI主導の成長モデルの政治学」である。2018年9月までに、レプラコーン経済学という言葉はアイルランドのダイル・エイレアンでの討論で83回使われた。

2019年9月、ネルソン・マコウスランド元北アイルランド大臣は、ベルファスト・テレグラフ紙に寄稿した「北アイルランドはEUから脱却すれば繁栄する...『レプラコーンの経済学』に縛られることなく」というタイトルのオピニオン記事で、レプラコーンの経済学と呼ばれる税金主導の経済成長スキームにアイルランドが依存していることを批判した。

より広い範囲での使用
2016年7月以降、レプラコーンの経済学は（クルーグマン自身によるものも含め）アイルランド以外の歪んだ、あるいは不健全な経済データを指す言葉としても何度も使われている：

クルーグマン、米国減税・雇用法の影響に関連して
クルーグマン：東欧諸国の国家統計について
アイリッシュ・タイムズ紙：アイルランド住宅建築完了統計について
Bloomberg：米国の経済データ、特に貿易赤字について
米外交問題評議会（U.S. Council on Foreign Relations）、アイルランドとオランダによるEU28カ国の経済データの歪曲の増加に関連して
2020年1月、クルーグマンはニューヨーク・タイムズ紙で、この用語がより一般的に使われるようになったことを指摘し、次のように述べた： 「さて、私は自慢の経済用語をいくつか作った： タックスヘイブンを探す多国籍企業によって引き起こされる統計の歪みを表す "レプラコーン経済学"、...」と述べ、次のようにツイートした： 「コメンテーターとして本当に嬉しいことは何だと思う？自分の造語（レプラコーン経済学）が、無帰属で広く使われることだ。いや、本当に、それはあなたが言説を変えたということなのだ」。

論争
2021年6月、ダニエル・マルホール駐米アイルランド大使はニューヨーク・タイムズ紙に書簡を送り、「貴紙のコラムニストがアイルランドを指して『レプラコーン』という言葉を使ったのは今回が初めてではない。