The Vergeは、Vox Mediaが運営するアメリカのテクノロジー系ニュースサイトで、ニュース、特集記事、ガイドブック、製品レビュー、ポッドキャストなどを公開しています。

2011年11月1日に開設され、Vox Mediaが独自に開発したマルチメディアパブリッシングプラットフォーム「Chorus」を採用しています。2013年にNilay Patelが編集長に、Dieter Bohnがエグゼクティブエディターに就任し、2017年にHelen Havlakがエディトリアルディレクターに就任しました。The Vergeは、2012年のウェビー賞で、「Best Writing (Editorial)」、「Best Podcast for The Vergecast」、「Best Visual Design」、「Best Consumer Electronics Site」、「Best Mobile News App」を含む5つの賞を受賞しました。

沿革

起源
2011年3月から4月にかけて、Engadgetの編集長ジョシュア・トポルスキーをはじめとするライター、エディター、製品開発者など最大9名が、Engadgetを運営するAOL社を離れ、新しいガジェットサイトを立ち上げました。また、編集長のNilay Patelをはじめ、スタッフのPaul Miller、Ross Miller、Joanna Stern、Chris Ziegler、製品開発者のJustin Glow、Dan Chiltonも離脱しました。2011年4月初旬、トポルスキーは、スポーツニュースサイト「SB Nation」と提携して、名称不明の新サイトを制作し、秋頃に公開することを発表しました。トポルスキーは、SB Nationが、独立したジャーナリズムを信条とし、独自のコンテンツ配信ツールを開発するなど、出版の未来に関心を寄せていることを高く評価しました。SB Nationのジム・バンコフは、2つのサイトの利用者層が重なり、SB Nationのモデルを拡大する機会があると考えました。バンコフ氏は、2005年にAOLに入社し、Engadgetの買収を指揮した経験があります。他の報道機関は、今回の提携を、SB Nationとトポルスキーのスタッフにとってはプラス、AOLの見通しにとってはマイナスと見ています。
SB Nationを所有するVox Mediaの会長兼CEOであるバンコフは、2011年のインタビューで、当初はスポーツを中心に事業を展開していたが、消費者向けテクノロジーを含む他のカテゴリーにも成長の可能性があると述べている。Vox Mediaのコンテンツマネジメントシステム（CMS）であるChorusの開発は、後に同社の最高執行責任者となるTrei Brundrettが担当した。

This Is My Next
2011年4月、SB Nationとの提携が発表された後、トポルスキーは、Patel、Paul Miller、そして彼自身がホストを務めるEngadgetのポッドキャストを、暫定的にThis Is My Nextというサイトで継続することを発表しました。2011年8月までに、このサイトのユニークビジター数は100万人、ページビューは340万回に達しました。2011年10月には、月間ユニークビュー数300万、総ページビュー数1,000万を達成しました。Time誌の「Best Blogs of 2011」に掲載され、プロトタイプのサイトは「模範的」と評価されました。2011年11月1日のThe Vergeの立ち上げに伴い、サイトは閉鎖されました。
2014年6月11日、The Vergeは、元編集者のDavid Pierceが編集する、家電製品のバイヤーズガイドとしての新セクション「This Is My Next」を立ち上げました。

ローンチ
The Vergeは、2011年11月1日、新しい親会社の発表とともにスタートしました。Vox Media社。同社によると、サイトの立ち上げ時には、400万人のユニークビジターと2,000万ページビューを記録しました。トポルスキーが退社した時点でのEngadgetのユニークビジター数は1,400万人でした。Vox Media全体では、2012年下半期にユニークビジター数が約1,500万人と倍増しました。The Vergeの立ち上げ時には、Engadgetの元スタッフ12名がトポルスキーのもとで働いていました。2013年、The Vergeは、元Wired編集長のKatie Drummondが中心となって、新しい科学セクション「Verge Science」を立ち上げました。2014年半ばには、パテルがトポルスキーに代わって編集長に就任しました。ジャーナリストのウォルト・モスバーグは、2015年にVox MediaがRecodeを買収した後、The Vergeの編集チームに加わりました。2016年までに、同サイトの広告は、記事の内容に合わせたディスプレイ広告から、ユーザーに合わせたパートナーシップや広告へと移行しました。

2016年から現在まで
Vox Mediaは、2016年11月の5周年を機に、The Vergeのビジュアルデザインを刷新しました。The Vergeのロゴには、不可能な物体であるペンローズの三角形を改良したものを採用しました。11月1日、The Vergeはニュースプラットフォームのバージョン3.0を発表し、新しいロゴとともにデザインを一新したウェブサイトを提供しました。
2016年9月、The Vergeは、副編集長のChris Zieglerが7月からAppleのために働いていたことが判明したため、彼を解雇しました。ヘレン・ハヴラックは、2017年半ばに編集長に昇格しました。2017年、The Vergeはテクノロジー製品のレビューを開催する「Guidebook」を立ち上げました。2018年5月、Verge ScienceはYouTubeチャンネルを開設し、2019年1月までに63万8,000人以上の購読者と3,000万回以上の再生回数を記録しました。同チャンネルは、2018年11月だけで530万回以上の再生回数を記録しました。