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とりあえず中に入ってみようと思い、フェンスに近づくと、見知った後ろ姿が目に入った。あの大剣はもしやーー。
「Jさ......えっ!?」
刹那、私とJさんの間に、ぱっと2人組が姿を現した。ついさきほどまで誰もいなかったところにいきなり現れたのだ。
一人は、グレーの瞳の男性。そしてもう一人は紳士風の格好をした、かなり長身の男性だ。Jさんと話しているところを見ると、敵ではなさそう。
あの人たちも移動魔法が使えるのかなぁ、だからいきなり現れたのかなぁ、なんて思いながら彼らの所へ近づいた。
『.........おっと失礼、申し遅れました。私、“元・魔王討伐隊情報伝達員”のルミナ・ウィリアムズと申します』
少しずつ聞こえてきた会話に耳を澄ますと、彼らも同じ元討伐隊員だと分かった。人の顔を覚えるのには自信があったんだけど、ごめんなさい覚えてませんでした、と心の中で謝って、彼らに話し掛けた。
「お久しぶりです! 元討伐隊の瑠璃といいます。よろしくお願いします」